漫画家 西炯子「シロがいて」。少女漫画を超えて猫と家族を描く。

猫漫画本と白い花 西 炯子の猫漫画

西 炯子先生 プロフィール

西 炯子(にし けいこ)先生は、1988年「待っているよ」でデビュー。

学校の先生をしながら漫画を描くという二足の草鞋を履く多忙生活を経験したのち、漫画家として独立されたそうです。

代表作に「娚(おとこ)の一生」(小学館・フラワーコミックスα)、「姉の結婚」(小学館・フラワーコミックスα)など。

「娚の一生」は2015年、廣木隆一監督により映画化されました。榮倉奈々・豊川悦司主演。大人のラブストーリーとして話題になりました。

西 炯子先生が描く物語は、少女漫画の可憐さや繊細さをそのままに描き込まれた表情や動きで、セリフなしでも人やネコの気持ちが伝わってきます。

西 炯子先生の猫漫画ワールドは「お父さん、チビがいなくなりました」「シロがいて」にて愉しめます!

「お父さん、チビがいなくなりました」は2019年、小林聖太郎監督により実写映画化され『初恋?お父さん、チビがいなくなりました』というタイトルで公開されました。

「シロがいて」

小学館 flowersフラワーコミックスα 全1巻

シロがいて」は、小学館の少女漫画雑誌「増刊flowers」2015年冬号、2016年春号、秋号、冬号、2017年春号、秋号、2018年春号に掲載された作品です。

シロがいて」は、35年ローンで建てた新築の家で暮らすことになった4人家族に、一匹の白い子猫が加わるところから始まります。

第1話 シロの来た夜
第2話 シロ3歳
第3話 シロ7歳
第4話 シロ10歳
第5話 シロ13歳
第6話 シロ15歳
第7話 シロ17歳

…というタイトルのもと、猫の成長とともに変わっていく家族の気持ちとカタチが描かれます。

4人と一匹で、家族。

オトナってどんな奴のこと…?親子って…夫婦って…?

生きるって、生活って、どんなにフツウで、どんなにフツウじゃないか…なんてことが、4人家族と一匹の猫の暮らしの中に見え隠れします。

猫の“シロ”は中心じゃないんだけど、タイトルで年齢が表記されているように、家族といっしょに歳を重ねていきます。

子猫が、オトナになり、歳をとり、老いる。

…17年は、あっという間に過ぎていく年月だと、こんなにも残酷に描く漫画なのに、作品の中に流れる時間はゆったりしています。

かわいいから

愛してるから

さいごまで一緒に
苦しんであげるのよ』 が刺さります!

ぜんぜん猫の“シロ”が中心じゃないんだけど、家族の一人として分け隔てなく猫の“シロ”が描かれている“家族の物語”が「シロがいて」です。

シロ”の風貌がまた、この漫画をいい意味でフツウの家族の物語にしてくれていて……涙なしでは読めない猫漫画です。

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